まだ道行く人もまばらで、車も少ないこの時間帯は、バスの本数も少ない。 だんだん高くなる太陽がじりじりと背中を焦がし始める。 風はまだ涼しくて、汗をかきはじめたこめかみを冷やしてくれた。 「あと30分か……長っが」 「少し早く来過ぎたみたいね」 ふいに、目の前に並んでた人が振り向いて苦笑いを浮かべて言った。 ひとりごとのつもりだったんだけど……