思いついたらもう居ても立っても居られなくなった。 「秋穂、こんな早くにどうしたの」 「ちょっとでかけてくる」 「最近よく外に行ってるみたいだけど、調子いいなら学校の事ちょっとは考え――」 「そんなのどうでもいいから!」 「なっ、待ちなさい秋穂!」 人の命がかかってるんだから、学校なんかどうだっていい。 私は勢いよくドアを開けて、生暖かい空気が立ちのぼる夏のはじまりに飛び出した。