「ちょっ!声でかいって!」 「えぇ!?まじで!?俺、初耳なんだけど!!どこ!?どこが好きなん!?」 「えー…。可愛くない?前髪下ろしちゃったのは残念だけどさぁ… 雰囲気とかさぁ… 話し方?とか。声とか。髪型とか」 照れたように中野は頬を掻きながら、笑っていた。 男子の話し声が、笑い声が遠くに聞こえるようで。 なのに、しっかり聞こえて。 ───何言ってんの、コイツ。 俺のこと見えてないわけ? ずっと、俺が一緒にいるってわかんないの? 馬鹿なの?