「くすくす…大丈夫だよ。水美の事はすぐに変身させるさ」 「え…?」 「俺の魔法でな」 ぱちん ウィンクすると、彼は信号が青になったのを確認して運転を再開した。 ギアを持つ方の手で、私の手を握り締めたまま。 そして。 15分程度で到着したのは、彼の車と同じように黒を基調とした、モダンな雰囲気のお店。 普段なら、通り過ぎてしまうであろうそのお店は、うちのブランドともコラボした事がある、国内でも有数のファッションブランドのお店だった。