「大丈夫だ。今すぐ仕事を辞めて付いてこいとか、そんな水美の努力や気持ちを踏みにじるようなことはしないから…ただ…」
「ただ…?」
「籍だけは、入れよう?明日にでも、ご両親には挨拶に伺いたい」
「え!うちの親に?!」
「駄目か?」
良いか駄目かと問われたら、そりゃ良いに決まってるけど…。
なんの前触れもなく彼を連れって行ったら、お父さんの血圧が上がりそう…。
「じゃあ、お母さんにメールしとくね?」
「あぁ、そうしてくれ…なんか、実感がどんどん湧いてくるな」
「え?」
「今まで、結婚なんて自分とは程遠いもんだと思ってたんだ。それなのに、水美とならってすぐに思えた…まぁ、それも水美のあの発言が…もご…」
「もう!何回も言わなくていいの!」
本当に、なんであんなことを口走ってしまったのか…。
2度目の、一生の不覚……。
だけど、膨れる私を見つめる彼の瞳が、凄く柔らかく澄んでいて、これで良かったのかな?とも思った。



