そして、出た言葉がこれだった…。
「瑛飛さんの…子供、欲しいな……」
「…え?」
言ってしまってから、ハッと我に返って、なんと今の言葉を取り消そうかと思いあぐねる。
でも、一度出てしまった言葉は、取り返しがつかない。
そんな私に、彼はフリーズしてしまった。
「えーと。えっと、えっと、えっと!今のはあの、その…」
「ほんとか?」
「もう、ごめんなさい!…って、え?あ?…う、うん…」
「ほんとに、俺の子、欲しいって…そう思ってる?」
なんだか、雲行きが怪しいような気がして、私は思わず視線を逸した。
「……うん」
「……そっか…」
これは、フラれたことになるんでしょうか?
え?
やっぱり私からのアクションじゃ駄目だった?
それとも、彼の思考には最初から結婚だなんて言葉はインストールされていなかった?
「…悪い。…あぁ、そうじゃなくて…」
「…?」
「拒否してるんじゃないんだ。ただ、頭が追いつかないだけで…まさかこのタイミングで、水美からそんな風に言われるとは思ってなかったから…」
彼は、ふわふわした髪をかしかしと掻いてから、私に目線を合わせてくる。
その顔は、蕩けそうな程、優しかった。



