だから私は、彼の腕を取って、マジマジと彼の瞳を覗き込みながら…。
「瑛飛さんこそ、なんか…チャラくなったんじゃないの?」
と、返した。
それに対して、びっくりするくらい慌てふためく彼。
「チャラい?そんなわけないだろう?これでも向こうじゃ硬派な日本男児で通ってたんだぞ?」
「ぷ…日本男児って…それ褒め言葉?」
「ん?違うのか?」
「ちょっと違う…」
そんな会話で、私たちの再会は終わった。
空港からタクシーで自宅まで一旦戻ることになって、その車中も終始笑いが絶えない。
殆どは、彼のニューヨークでの生活の話題だったけれど、それのどれもが充実していることを証明していて、聞いていて心地よかった。
「ふふ…瑛飛さんは本当にユニークって言葉が似合ったんじゃない?」
「副社長のジェイコブからは、ユニークがスーツを着て歩いてるっていつも言われてたな…」
「あははっ…ジェイコブさん、ナイスコメント!」
「む。笑い事じゃないぞ?舐められたら、社長なんかやってらんないからな」
「でも、ジェイコブさんには舐められてたんだ?」
「……」
「ふふっ。でも、良かった。元気そうで」
「毎日、水美で栄養摂ってたからな」
「はいはい」
そんな会話をしていたら、すぐに自宅に到着してしまった。
私は何の気なしに、自分のバッグからカードキーを出し、部屋のドアを開ける。
そして、彼を入れるより先に自分で部屋に入り込んで、一つこほん、と咳をした。
「水美?」
「お帰りなさい…瑛飛さん」
そして、絡みつく腕。
二人きりになってしまえば、どこまでも大胆になれる。



