「それで…帰国した日は、俺がプレゼントしたワンピース、着て来てくれる?」
「…あのグラデーションの?」
「そう」
「…?別にいいけど…?」
「じゃあ、そういう訳で…改めて、誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。…愛してるよ」
「ん…ありがと…私も、愛してる…」
電話の終わりには、受話器越しに聞こえる微かなリップ音。
私は、それだけで胸がいっぱいになり、スマホをそっと閉じた。
「久しぶりに、逢えるんだ…」
このときめきは、彼を好きになってから今まで、一度も薄れたことがない。
薄れるどことか、濃くなっていくばかりだ。
愛してる、なんて言葉を、恥ずかし気もなく堂々と口にして言えるのも、彼が最初で最後の人だから。



