でも…?
私がここで、了承したとしたら…?
少しの間、沈黙する私を気遣ってか、彼のお母様が口を開いた。
「息子は、この通り流浪人なので、色々心配なの…水美さん…」
その先は、言葉にはならなかった。
でも、私はちゃんと、お母様の言いたいことを理解した…つもり。
それでも、やっぱり…胸に芽生えた思いは、今更揉み消すことは出来なそうだった。
私は、すうっと息を吐いて、彼の方を向いた。
そして、笑顔でこう言い切った。
「私、…私は、瑛飛さんがいなくなった分、皆を引っ張れるように頑張りたい、です」
そんな私の言葉に、彼の瞳が揺れる。
ひっそりと浮かんだ影。
私はそれに対してきちんと向き合おうとした。
これはけして二人だけで済む問題じゃあない。
だから、悩む気持ちも受け止めて、しっかりと前を向きたかった。



