「オゥ!水美!また会えたね!これは運命かな」
そう言って私に近寄ろうとして来たのは、レオ。
私が反射的に彼の後ろに隠れると、両手を差し出して、落胆の表情をわざと大袈裟に見せてくる。
「そんなに警戒しないでおくれよ、マイハニー」
「だーれが、マイハニーだ。レオ。いい加減にしろよ?」
「あ。瑛飛。なんだ、いたの?」
「いたの?じゃねーよ。ちっ。だから此処には来たくなかったんだ」
苦虫を潰したようにそう呟く彼をお構いなしに、レオは私へと向き直りにこにこと微笑んでくる。
「水美?瑛飛にキミは実に勿体無いね。どう?こんなヤツ放って置いて俺と付き合わない?」
「や、です」
そのあまりにもチャラい言動に、スパッと拒絶すると、レオは何を思ったのか、今度は彼の方を向いてこう言った。
「ふぅん?…従順な飼い猫ってとこ?」
「…いんや?これでもかなり手こずってる」
「へぇ?瑛飛が手こずるなんて凄いじゃない。益々気に入っちゃったなぁ?」
「おい。本気で手ぇ出したら、殺すよ?お前…」
「いーじゃん、1人くらい」
「1人しかいねーよ!」
「ふふ。ご冗談を」
「ばーか!本気だ、この野郎」
私は二人のやり取りをただ呆然と眺めているだけ。
…駄目だ。
完全に話が全く見えない…。
「瑛飛さん…?」
「え?あ、あぁ…悪い。コイツは、俺の幼馴染みたいなもんなんだ。だから、色々質が悪いんで、あんまり近寄るなよ?」
「…ち、近寄りませんよ!私チャラい人好きじゃないですもん」
「ひっどいなぁ?俺、全然チャラくないよ?」
「じゃあ、そのこっちに向けた手、引っ込めて下さいよ!」
私は、じりじりと近寄ろうとしてくるレオから逃れる為に、もっと彼の背中の後ろに回った。
と、そこに、バタバタと何人か人が入り込んできた。
本当に、バタバタと。



