「おっと。これは失礼…ボスもそんなに目くじら立てないでくださいよ」
「あんたには、あとでたっぷり説教をしてやるよ…そんなことより…えー…ミス久倉?悪いわわね。うちの者が粗相をして。躾がなってないと怒ってくれて構わないよ?」
その女性は、もう一度、スイッと足を組み直してから私を見つめてにっこりと微笑んだ。
「い、いえ!大丈夫、です…あの、こちらこそきちんとした対応が出来ずに申し訳ございません!」
あまりの妖艶さに負けて、そう言って頭を下げる私に、彼女は楽しそうに笑ってから、
「頭を上げて頂戴?」
と言ってきた。
そして、疑問符だらけの私に一つ一つ説明するかのように、掻い摘んで話をしてくれた。
それは、本当に彼の口から聞きたかった言葉ばかり。
「私が此処の会長に、開発部の人間で誰が1番いいかって打診をしてね。そうしたら課長さんがすぐに彼…瑛飛を指名してきて…それで話がトントン拍子で決まったのさ」
「…はい」
「あぁ…申し遅れたね。私の名前は、エリーサ・オオハラ。瑛飛の叔母よ」
「…はぁ…え?!」
「ふ、そう、瑛飛は本当に何も話さずに此処で1人頑張ってきたんだね」
彼女の態度は、ソファーにふんぞり返っていて大きいけれど、その口調はとても優しい。
私はマジマジと彼女の顔を見た後に、それまで背にしていた彼の顔をそっと眺めた。
「エリーサ…いいよ、そんな話は。今日はそんな話をしに来た訳じゃないだろう?」
「なんだい?偉そうに。瑛飛、あんたのオムツを替えてやったのは誰だと…」
「エリーサっ!!」
「あーはいはい。じゃあ、本題といこうか」



