何だろう。
悲しいというよりも、悔しさで胸が一杯になって気持ちが悪い。
それは、彼から何も聞かされていないから?
それとも…彼との繋がりを否定されたから?
「…っ」
泣かない。
絶対に…。
こんな事で、こんな場所で泣くもんか。
私はそのままそこを飛び出して、精一杯の深呼吸をした。
そして、途中スタジオの入り口にいた、スタッフの一人に、先に帰る旨を伝えてから、フラフラと街並みに溶け込んで行った。
そうして、数時間。
スタジオを飛び出てから私は、自分でも知らない内に行く宛もなく電車に乗り込んでいて…。
ハッとして降りた駅は、会社からも自宅からも…そして彼の部屋からも遠い場所。
その間、彼からはひっきりなしに、スマホに連絡が来たけれど、私は無視をし続け…挙句、そのバイブレーションに苛立って電源を落としてしまった。
「はぁ…何やってんだろ…」
こんな事してるから、彼女に弱味を掴まれるんだ。
本当に彼女の言った事は、真っ当かもしれない。
信じられてない。
必要とされてない。
ましてや、本当に愛されているか分からない。
頭の中は闇でいっぱいになっていく。
熱っぽい囁きの先にあると思った、彼の真意は何処に行ってしまったんだろうか。
なんとなく、自ら手放してしまったかのようで、心が塞いでいく。
「なんで、言ってくんないんだろ…」
会社を辞める話なんて、寝耳に水だ。
そんな事、課内のメンバーからも聞いてない。
だから、うそだと信じたい。
でも…。
「体の繋がりがないって…こんなに苦しいもんなのかな…」
ぽつり、呟いた言葉に自分で傷付いた。



