【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜



もう、我慢なんて出来ない。
愛しさで、気が狂いそう。

私の限界を…いとも容易く解き放っていく。


明日になったら、またただの上司と部下になってしまうと思っていたから…。


「瑛飛さんは、優しいですね」

「お前だけにだよ。他なんかどうだっていい」

「…うそつき……」

「うそじゃない」

「……っ……」

「泣くな、水美。じゃないと抱き締めたくなる…」


尚も前を向いたまま苦しそうに呟く彼。
自分の中の衝動と戦う彼の姿を目の当たりにして思った。


普段の生活からしても分かる事。


何時も、自分を犠牲にして…盾になって、部内を盛り上げてくれる彼。
鬼軍曹という仮面をわざと被って、誰よりも先に自分が
ミスを被る。
雷みたいなゲキを飛ばすフリをして、誰よりもその人を応援をしている。


…私は知っている筈だ。


目の前の彼が、本当は誰よりも傷付き易いという事を。
人の心に敏い癖に、自分の心の痛みには鈍感で…そういう意味では不器用だという事を…。