「なぁ?好き、なんだよ…水美」
「い、や……やめて!」
「……ちっ。人が下手に出てやりゃあ、なんなんだよ、お前。何様なわけ?大袈裟に抵抗してんなよ…ほら、一緒にこのままお前ん家行こうぜ?」
ぎりっ
摑まれた手首の痛みに、顔を歪ませると、キスができてしまうくらいの至近距離で、
「顔だけが取り柄の、仔猫ちゃん」
と、囁かれた。
もう、このまま私はこの人に一生付き纏われて生きていかなきゃならないんだろうか?
逃れる事は出来ないんだろうか?
そう思って、ぎゅうっと瞳を閉じた。
そこに、上から怒りを含んだ声が落ちて来た。



