彼女が一瞬だけ息を飲んだのが伝わった。
そして、パァーっと瞳を輝かせて、俺の顔を見上げてくる。
「くく。いいよ。好きなだけ見な」
「い、いいんですか?!」
「特別だぞ?」
「はい!」
本当に、仕事へ向けるその情熱を少しは俺に対して向けて欲しいとさえ思ってしまう。
彼女は、パッケージの表を見てはしゃいでみたり、裏面を見て難しい顔をしたりと忙しい。
そして、いくつかの商品を手に取って眺めていた彼女の手に、次に上がったのが…。
「…あ。……これ…?」
「そ。この前、お前が言ってたティントリップ」
「え!私の案通してもらえたんですか?!」
「あぁ。まだ試作の段階だけどな。お前の企画書はバッチリだって、課長が褒めてたよ。良かったな」
「はい!」
にっこり。
微笑まれて、心底可愛いなぁと思う。



