「指名入ったよ!ハクお願い。」

「へーい。」


空きもない指名。


ほとんど喋った内容なんつーもんは、いちいち覚えていない。


把握してんのは性格と名前。


どう接したら、ご機嫌が取れるかの為にね。


「お待たせー!って…梓ちゃん!?」

「お忙しいのにすいません…」


嘘だろ…?


俺の約束守って来てくれたのかよ…。


どうしよう、マジで嬉しいんだけど。


しかも初めて指名…してくれた。


「いや、むしろ嬉しい!待ってて、今デザート持ってくるから。」

「あ、はいっ。」


“最高の時間をプレゼントする”


それが俺としての役目でもあり、唯一出来ることかな。