でも不思議に全く効果は無かったらしい。


「大丈夫です。いつも指名はしてないので。」

「へ?」


ホストという場所は、普通なら指名するとこなんじゃねぇの?


なんで指名しないのに来てるんだよ。


ここは、バーでも無いのに。


俺の頭には疑問しか浮かばなかった。


「えー、もったいない。君すっげぇ魅力的な美しさ漂ってんのに。」


まぁーいいや。


いつもみたいに適当な台詞で、心奪っちゃえば。


「そんな嘘の褒め言葉、言われても全然嬉しくないです。」


さっきと表情を一切変えない女。


どうしてだ。


どうして、俺の罠にハマらないで見透かしてるんだ。