「そんなビックリすんなって~。」 「悪いな!」 近くの茶髪男子がおどけたように、 ごめんのポーズをする。 「やっと有名人と話せるね!」 「待ってたんだよ〜?」 ちょこちょこと、 香りの強い女子が寄ってくる。 えっと…。 「中沢泪!…ねぇ、泪ちゃんって呼んでもい?」 「あ!ずりぃ!俺も!」 「私も私もー!」 「私も!ね!…いいでしょ?」 ………あぁ。 これはこれで、望んでない結果だ…。 静かに過ごせないのかな…。