ビビッてしまった城に俺はため息を吐く。


「城、あの子はきっと幽霊じゃないよ」


「なんでだよ。だって、カメラに映らなかったんだぞ!」


「うん。そこがわからない所だな。幽霊じゃないとしたら一体何者なのか……」


俺は首を傾げる。


残念ながら俺は名探偵じゃない。


これだけのヒントで答えを出せるほどの頭脳は持っていなかった。


そうこうしている間に公園には子供たちが集まってきた。


そういえば今日は子供会の行事があるんだっけ。


「邪魔にならないうちに退散しよう」


俺はそう言い、自転車を引いて歩き出す。


集まってきた子供たちの顔を注意しながら見ていたけれど、やっぱりあの女の子の姿はどこにもなかったのだった。