ここは展望台だ。


いつ、誰が来るかわからない。


そんな場所で人殺しなんて、するワケがない。


「でも、昨日見たよな?」


俺は念のため城にそう聞いた。


城はチラリと俺を見て、「あぁ」と、頷く。


昨日冨部先輩はここで殺された。


あの女の子によって……。


「あの子は一体何者なんだろうな」


城が呟くように言った。


「わからない」


俺は左右に首を振る。


「でも、俺は家の近くであの子を一度見たことがある」


「は? まじで?」


城が目を丸くしてそう聞いてきた。


俺は真剣な表情で頷き、女の子を偶然見かけたときの事を話した。