「ちょっと待ってくれよ」


頭の中は混乱している。


俺の家の目の前で先輩が死んだ?


そんなバカな。


今朝家を出た時何もなかったのに……。


そう思った瞬間、ある光景を思い出していた。


家の前には大きな公園があり、そこの奥の方で人だかりが出来ていた事を。


今日ってなにか地域の集会でもあったっけ?


そんな事を思いながら、通り過ぎたんだ。


「まさか……嘘だろ?」


「そんなたちの悪い嘘、誰も流さないよ」


風花がそう言い、左右に首を振った。


まじかよ……。


どんどん真実深が帯びて来た時、教室のドアが開いて城が入って来た。


城も何も知らないのだろう、クラスメートに向かって挨拶をしたが無視され、つらそうな顔を浮かべた。


「城、こっちだ」


俺は城を手招きした。


「良真、俺今無視された……」


「大丈夫だ。無視されたワケじゃない」


俺はそう言い、ついさっき風花に聞いた話をそのまま聞かせた。


最初は半信半疑だった城だが、パトカーのサイレンは聞いていたらしくすぐに真顔になった。