「それはダメだ!」


城が大きな声を出してそう言い、一瞬周囲が静まり返った。


「あ、いや……河川敷は虫が出るし、やめた方がいいんじゃないかな?」


城が自分の言葉にフォローを入れる。


「そうだね。ヘビとかいるかもしれないし、今日は家でできる花火だけやろう?」


「はぁい……」


風花に言われ、綾菜ちゃんは少し残念そうにしながらも頷いた。


城が申し訳なさそうに頭をかく。


河川敷と聞いた瞬間、冨部先輩が殺される場面を思い出してしまったのかもしれない。


俺もそうだ。


城が綾菜ちゃんの意見を否定しなければ、俺が否定していただろう。