俺は城のわき腹をつついた。


「じゃ、邪魔なら、やめとくけど……」


弱弱しくそう言う城に俺は「違うだろうが」と、小声で突っ込みを入れた。


今日はできるだけ風花と一緒にいる。


なにかあったら守る。


そう決めたばかりだろうが。


「邪魔じゃないけど……」


「じゃ、じゃぁ決まりな! さぁ、行こう!」


そう言い、ぎこちなく歩き始める城。


手と足が同時に前へ出ていて、まるでロボットのようだ。


その様子に風花がプッと吹き出し、ようやく笑いに包まれたのだった。