そして、隣に立つ桐神と御影を交互に見た。



「すまない」



口を開いたのは御影だった。



「自分の女に手を出されて、何もしない奴がいるか?」



ひんやりとした、静かな口調。

いつもの真顔。

だけど目の奥に燃える闘志を感じる。



御影は自分の右手を見つめ、



「…人を殴ったのは初めてだ」



どこか不思議そうに呟いた。



「み、皆、海空さんの事が心配でした行為であって…その…。御影くんの事、許してあげてほしいです!」



桐神は必死に笑顔を作り、澪和に言った。


まぁ、元はと言えば、澪和に手を出した城津が悪いのだがーーー



「……ありがとうございました」



まだ苦しんでいる城津に気をかけながらも、澪和はもう一度、3人に深々と頭を下げた。