緋莉side
煉と私は刃龍の倉庫の前に居た。
私は深く深呼吸をする。
「緋莉、大丈夫か…?」
「うん、平気。」
「入るぞ。」
煉が倉庫のドアを開け、先に入る。
刃龍のメンバーの声が外に居ても聞こえる。
私は意を決して中に入った。
すると煉の時とは逆に倉庫内がシーンと静まり返る。
煉と私の歩く音だけが聞こえている。
煉は用意されていた台に乗り、皆の方を向き話し始めた。
「皆、昨日に続き今日また集まってもらって悪い。感謝する。まずはコイツの話を聞いてやってほしい!…緋莉。」
煉に呼ばれ、私は台に立つ。
下を見ると下っ端達が睨んでいるのが分かる。
正直、信じてもらえるかわからない…。
でも覚悟を決めて来た。
私は意を決して話し始める。
「私は星宮 緋莉。信じてもらえるかわかりませんが、全てを話します…。」
私は全てを話した。
少しだけ下っ端達の目が変わった気がした。
話し終えると煉が頭を撫でながら私を見てニコッと笑う。
私もつられてニコッと笑った。
そして煉がまた話し出す。
「緋莉が話したことは全て事実だ。俺は緋莉が嘘を言っているようには思えない。皆はどうだ?この話を…緋莉を信じるか?」
しばらく下っ端達はざわついていた。
昨日まで氷蓮の姫だった私の話を信じる訳が無い。
そう思っていると私の後ろの方に居た幹部達と姫が近付いて来る。
「俺は信じるぜ。」
「俺も。」
「僕も信じるよ!」
「私も信じる!」