「俺の名前は、武瑠・アークライト…。貴女の名前は…?」 声を掛けると、ビクリと身体が動いたのを感じた。 まだ彼女はじっと俺を見ている。 何だろう…と、小首を傾げると、ハッと息を飲んでから一呼吸の後、凛々しい声が耳を擽った。 「私の名前は、凛音・アルバーン。お前を仕留めにやって来た…」 悲しみに濡れた声に思えた。 そして、思った以上に彼女は傷付いている、とも。 俺はほんの少しだけ、甘い声で彼女に接してみようと試みた。