……考えすぎかな。
ノワールの声を聞きながらくっとお酒を口にした。
じわっと広がっていくアルコールに、またしてもほろ酔い気分になる。
ノワールに話を振られて話を合わせるように喋り出すと、さっきまで抱いていた感情が少しずつ薄れていく。
今は、この楽しい時間を味わうって決めたから。
ノワールの寂しい表情が嘘だったかのように、楽しそうに笑っている。
そんな時ふと見上げた夜空に浮かぶ月明かりが、とても綺麗で私は小さく願う。
どうかこれから先の未来が明るい世界でありますように、と。
そして、この後の記憶は……ぷつりと途絶えることとなるとは知らずに。



