変わった私の姿に驚いているのか、数秒間私をじっと見つめたかと思うと慌てて立ち上がった彼の様子に、浮気相手も気がついたようだ。
ネチネチするのは私の性格上似合わない、ここはサラッと終わらせてやろう。
「どうかした?」
「さ、咲!?その格好……なんて言うかその、見違える程綺麗だし、それにお前とずっと連絡取れなくて心配して……!」
「心配?よくこの状況で言えたものね」
呆れた、やっぱり私の知ってる彼はもうどこにもいないんだ。
浮気相手も立ち上がって彼の腕をキュッと掴んだ。
彼は振りほどこうとしているけど、浮気相手は彼の心情を読めていない。
多分貴女には帰ってほしい、そう心から叫んでることだろうよ。
まだまだ彼の事を知らないようで、まあ末永くやってくださいな。
「知らない間に他の子作ってコソコソ楽しくやってたんでしょ?そんな時に私の心配なんかするはずないじゃない」
「ち、違う!咲!聞いてくれないか!」
今にも泣きそうな彼を見て、私は首を横に振った。



