見なければ良かった、でも信じていたから見てしまったのだ。

高校の時に先輩として慕っていた存在は、いつの間にかかけがえのない存在になっていた。

高校卒業後は、先輩とは別の大学へ進んで気持ちを抑えようとしたけど無理だった。

久々に会って気持ちを確認して、思いもよらないことに向こうからの告白。

めでたくゴールしたと思いきや、社会に先に飛び込んで行ったのは当然、彼だ。

忙しいながらも私達は、その愛を確かめていっていた。

彼が移動になっても、連絡を毎日取る日々で忙しい中の陽だまりのようなそんな存在だった。

付き合って二年経って、ついにプロポーズまでされたというのに。

なのに……どうして。


【今日はありがとう。美奈と同じ時間を過ごせてすごく幸せだったよ。今度また会うのが楽しみでしょうがない】


その言葉が送られたのは、私じゃない。

――どこの誰かも分からない知らない女性。

隠し事なんかしないから、彼のスマホはいつでもロックがかかっていない、だからこそ安心していた。

……その一通のメッセージが来るまでは。