もう後戻りはできない、それでも後悔はしない。


この世界から本当に存在が消えても、私には愛すべき人が近くにいる。


飛び込んでいく世界には不安も少しはあるかもしれないけれど、私の運命は自分で決めて、変えていく。



『それでは、空の旅をお楽しみくださいね』



ノワールが悪戯っぽく笑うと、踵を2回鳴らしてふわりと宙へと浮かび上がる。


周りを見渡せば朝日でキラキラとした空が、私達を祝福するように輝いていた。


そんな光景に自然と、綺麗ねと呟いてしまう。



『お嬢さんーーいや、咲』



初めて呼ばれた自分の名前に、何故か恥ずかしさと嬉しさが入り交じる。


緊張しつつもノワールを見れば、優しい顔で私を見ていた。





『君は、原石だ。磨けば磨くほど美しく綺麗になっていく。だから、自分をどうか信じて』






その言葉に私は力強く頷いて笑ってみせた。



「ええ。もちろんよ」



この先の未来でも、あなたの隣でずっといられるように私はこれからも自分を磨くから。




どうか、こんな私を見ていてね。







大好きな人の隣で、これからもずっと輝き続けると誓います。