「花奈ちゃん、結婚おめでとう」 由希さんが笑顔で私を祝福してくれた。 由希さんだけではない。 後輩も、上司も。 そして、 「良かったな、松島。 ……って、もう松島じゃないか」 私が大好きだった、吉川さんも。 そんな吉川さん、少し顔を赤くしながら私に告げる。 「実は俺、少し松島のことが好きだったんだ」 「……え!?」 思わぬ言葉にぽかーんと口を開ける。 だけど、あの頃のようにドキドキすることはなかった。