階段で、シェフの藤井さんとすれ違った。 藤井さんはニヤニヤして私をからかう。 「さっき松島さん、男と抱き合っていませんでした?」 みっ、見られたの!? しかも、藤井さんみたいな口が軽そうな男に!! 顔にぼっと血が上り、身体に震えが走る。 だけど、今は司君との甘い空想に耽っている時間はない。 「松島さん、吉川さんじゃなかったの?」 楽しそうな藤井さんに掴みかかり、 「藤井さん!!」 泣きそうな顔で聞いていた。 「お花担当の林さん、知りませんか?」