あーぁ、俯いちゃった。
照れてる顔も最高に可愛いのに。
この壁と廊下が邪魔くさい。
こんなの追っ払って、ハルの隣に行けたらいいのに。
そう思っていると、ハルに近づいてくるA組の担任の先生が見えた。
これはよそ見してることがバレたんじゃ……
ハルが怒られないようにと"前見ろ"って教えてあげたのに、少し遅かったらしい。
ポカっと頭を叩かれて押さえるハルの姿が見えて、わっと笑いが起きていた。
人気者じゃん、ハル。
見ているこっちも面白くて思わず見入ってしまっていた。
「おい、一ノ瀬!」
「え、何」
突然学級委員長になったクラスの奴が俺を呼ぶから、そっちへ振り向く。



