俺の横で、背伸びをしながら必死にクラス表を見ようとしている女の子に気づいたのは。



「美風 羽瑠……美風……どこ?」



探しきれないのか、はたまた見えないのか……



「……っ」



こんな気持ちになるのは、初めてだ。



そこそこ今までもモテてきた方だし、女の子と関わることは、他の人よりは多かったと思ってる。



でも、今この時ほど目の前の女の子に釘付けになったことは無かった。



これが一目惚れだっていうのを、今日初めて知った。



一目見ただけで相手のことを好きになるなんて、絶対ありえないと思っていた。



思っていたからこそ、今の自分のこの気持ちの高鳴りが信じられなかった。



名前は、美風 羽瑠か。



何となくそう頭に浮かべながらクラス表を見ていれば、その名前はすぐに見つかった。