「ハルが"スキ"」



「なっ……バカっ」



多分私、今顔真っ赤だ。



耳元で囁くなんてずるい。



それに絵しりとりなのに、文字で書くなんてルール違反だよ。



「文字書いたから絵しりとりは、夏くんの負けだよっ」



「うん、そうだね。だからはい。罰として俺の携帯番号教えてあげる」



そう言って差し出されたのは、ノートの切れ端に書かれた、多分夏くんのスマホの電話番号。



それって、罰ゲームなの?



そう思いつつも、差し出されたそのメモを反射的に受け取ってしまった。



「夏休み中、寂しくなったら電話してよ。いつでも俺が相手するからさっ」



「……本当にバカっ」



「そんな俺のこと、好きでしょ?ハールちゃん?」