「はい、夏くん」



「ん」



記録とシールを貼り終えたものは、夏くんに渡す。



図書室の本棚は結構高くて、女の子としては平均的な身長である私でも、さすがに上は届かない。



だから、本棚に本をしまうのは夏くんにお願いしている。



背伸びをすることもなく、サッとしまえてしまう姿を見て、やっぱり背高いな、男の子なんだなと思う。



「なに、俺に見とれてたの?」



さっきまで本棚の方を向いていたのに、こっちを見て、目が合ってしまった。



「なっ!そんなことない」



違うもん。



見とれてたんじゃなくて、ただ見てただけ。



「そう?授業中、ハルが俺のこと見てるのも知ってるけど?」