「すきだよ、ハル」



私は何回も頷いて、顔なんか見れなくてただただ夏くんの胸に顔を埋める。



「あれ?私もすきって言ってくれないの?」



「へっ?」



「おかしいな、図書室では言ってくれたのに」



「聞こえてたのっ!?」



「うん、ばっちり」



「はぅ……」



バカバカっ。



夏くんの意地悪。



その後なんて、全然夏くんの顔を見ることはできなかった。



これもぜーんぶ夏くんのせいだ。



でも……



ドキドキしてるのは私だけじゃないって。



夏くんだってドキドキしてくれてるんだってわかったから。



「ふふっ」



「どうしたの?なんか嬉しいことあった?」



「うん、とーっても!」




「え?何、教えて?」



「秘密っ」



これは教えてあげない。



「教えてくれないならチュー……」



「だめっ!ここじゃダメ!!」



「ここじゃなきゃいいんだ?」



「はっ……」



私のバカ。



「だからってやめないけどね?」