「無理だよ……」
『今どこにいるの?』
「茂みに隠れてる……」
しかし、そんな隠れんぼも虚しく、あっという間に見つけられてしまった。
「ねぇ、詩乃。後ろにいるよぉ……」
ちらりと振り向けば、後ろで待っている夏くん。
スマホには、"見つけた。大丈夫?"とメッセージも入っている。
"ちょっと待って"と返事をして、頑張って落ち着こうとするけれど、そんなことは無理な話。
『頑張れっ』
「ハールっ」
「きゃあっ……!」
まだ心の準備ができてないのに……!
さっきまで後ろにいたはずの夏くん。
いつの間にこんなに近づいてきてたの?
すっと隣に座るから、びっくりして思わず声まであげてしまった。
逃げたくなるけど、隣にいれるのが嬉しい。
『夏くん来たの?よかったねっ』
「良くないよ〜、助けて詩乃っ」
『いやーっ。あ、夏くんにかわって?』



