どこで待ってよう……
いっそのこと隠れてしまおうか。
今日はデートにもってこいの綺麗な晴天。
雲ひとつだってない。
来てるはずはないと思いながらも、周りをキョロキョロと見渡して、夏くんがいないのを確認しながら電車を降りる。
空いたちょっとした時間がまた私の緊張を掻き立てる。
いてもたってもいられなくなって、電話をかける。
『もしもしー?』
「ねぇ、詩乃ーっ、どうしよう」
『ハール、頑張って!』
「うぅ……」
絶対詩乃、電話の向こうで楽しんでるもん。
むぅっとしながらも、そわそわしてとにかく落ち着かない。
「あっ……」
『え?夏くん来た?』
「ううん、違うの。ハトさんが……」
適当にふらふらと歩いていると、橋の上でハトに遭遇した。
『ハト?』
「周りに沢山集まってきてくれたの、かわいいっ」
そんなハトたちに少し癒されて、緊張がほぐれる。



