待っててくれてるみたいだって先生は言ったよね?
星野先生の忘れ物なんかじゃなくて、私への伝言のために戻ってきたんだ。
廊下から見えるといえば……生徒玄関!
まさか、まさかね?
椅子の上に置いておいたカバンを手に取って、飛び出すように図書室を出た。
廊下の窓から下を覗けば、やっぱり……
なんで夏くんがいるの?
星野先生から頼まれたお手伝いも30分程度。
されど30分。
夏くんは私が行ってしまってからずっと待っててくれてたんだ。
先に帰っててって言ったのに。
もう、夏くんのバカ。
申し訳ないのに……嬉しくなっちゃうじゃん。
廊下は走らないなんてルールは無視して、生徒玄関まで駆けていく。
着いた頃には少し息が上がってて、でもそれよりも早く夏くんに会いたくて。



