《ハルside》



夏くんと教室で別れてから星野先生と図書室にいた。



「急に手伝い頼んじゃってごめんね、美風さん」



「全然いいんですよ」



手伝いといってもそんなに難しいことではなくて、書類の整理だとか、これから短期間Ａ組の担当としてクラスのことを聞かれたくらいだった。



話せば話すほどいい人なんだと感じる。



さっきも私が間違えてプリントを床にバラまいちゃって……



それでも星野先生は怒ることもなく、すぐに拾って渡してくれた。



「星野先生って優しくて紳士的ですね」



「そうかな、ありがとう」



爽やかにニコリと笑う星野先生は、やっぱりモテるんだろうなと思う。



「そうそう、さっき教室で一緒にいたのは美風さんの彼氏？」



「へっ？」



突然先生にそんなことを聞かれるとは思わなくて、思わず固まってしまう。