思わず口に出てしまった言葉。
「え?」
「あ、いや、なんでハルに頼んだのかなって」
「あれだよ、ほら図書委員だから、星野先生しばらく図書委員の担当になるらしくって手伝って欲しいみたいなの」
「なら俺も行く」
「え?いいよ!私1人で大丈夫だから!ね、夏くんは先に帰ってて?」
ハルを残したくないと言う気持ちが大きいけれど、そこまで言われてしまっては、わかったと言うしかない。
「わかった。何かあったらすぐ連絡して?」
「うん、ありがとう」
そうは言ったけれど、心配は消えない。
「あ、いたいた。美風さん今から大丈夫?」
「はい、今行きます!」
やっぱり着いて行こうかと言おうとした矢先に、ちょうど星野先生ってやつがハルのことを迎えに来た。
「ごめん、夏くん。もう行くね?またねっ」
そう言ってハルは小走りで行ってしまった。
静かな教室には、「こら、走ったらダメでしょ?」「すみません…」なんて2人の声が響いてきて、俺の胸の中のモヤモヤはさらに大きくなった。
なんなんだよ、このモヤモヤしたやつ。
今日は朝からずっとモヤモヤが続いて、これが一体何なのか全然わからないでいた。



