「ハル、帰ろ?」
放課後になり、ハルと一緒に帰るため迎えに行く。
「あ、夏くん!」
教室を覗くと、俺を見つけるなりニコリと微笑むハルに思わずドキッとしてしまう。
いちいち可愛すぎるんだよ。
しかし、なんだかハルの様子がおかしくて、申し訳なさそうな表情を浮かべている。
そんな違和感に気づいて、やっとハルが帰る支度をまだしていなかったことがわかった。
「ハル?」
心配になって名前を呼ぶと、あのねと話し始めたハル。
「ちょっと星野先生にお手伝い頼まれちゃって……今日は一緒に帰れないんだ」
星野……?
そんな先生いたっけと考えて、そういえばA組に臨時教師が来ていたことを思い出した。
あの人、星野っていうんだ。
「なんでハル?」



