「タオル濡らしてきたから、冷やして1回寝たらいいよ」



動くことさえも辛そうなハルを抱き抱えて、ベッドの上に寝かせる。



布団をしっかりと掛けて、そっと額に冷やしたタオルを乗せた。



「んー、気持ちいい……」



ひんやりと伝わる熱に、ふにゃりと笑うハル。



「……っ」



体調が悪いとはいえ……そんなの反則だ。



今すぐ抱きしめてキスをしたいところだけれど、今の状況を働かない頭で考えてぐっと抑える。



そうやって俺が必死になっているっていうのに、このハルは……



「……、ハル?」



眠ったのを確認したら、ゼリーか果物でも買ってこようかと立ち上がった時、力の入らない手で制服の裾を掴まれた。