「ほら、出来たよ」
「ありがと、夏くん」
「うん、何かあったら無理しないで、すぐ言って?」
「うん」
「すぐ助けに行ってあげるから」
「うん、わかった」
「本当にわかってる?」
「本当だよ!」
天然すぎるこの子は、本当に俺の気持ちをわかってくれてるんだろうか。
まぁハルがそう言うんだから、わかってくれてると信じるしかない。
「そう言えばさ、障害物競走の時俺の名前呼んでくれたでしょ」
「うん、夏くんがかっこよすぎて……」
「ふーん、そんなに俺、かっこよかった?」
せっかく2人きりになれた時間。
きっともうすぐ閉会式の時間だけど、まだあの場には帰りたくない。
もっとハルと話していたい。
そんな俺のわがままな気持ちで、ハルに話しかける。



