「ハルともっと話したかった」



「え?」



「ハルと一緒に帰った理由。それじゃダメ?」



そうやってまた夏くんは……



私のことをどれだけドキドキさせたら気が済むんだろう。



こんなことを言われて、喜ばない女の子がどこにいるんだろうか。



「ううん、ダメじゃない。……嬉しかった」



「素直だね。そんな所も可愛いよ」



「っ」



夏くんは、私のことをドキドキさせる天才かもしれない。



「じゃ、また明日」



私の心臓が落ち着く暇もなく、お別れの挨拶をしてきた夏くんに、なんとか答えようと手を振ろうとしたのに、何故か近づいてくる夏くん。



面と向かって立つと、やっぱり背が高くて見上げないと顔を見れない。