「なんか考え事?」



「へっ、雨降りそうだなって思ってて」



「確かに一気に天気悪くなったよな」



「ねー」



夏くんはスイッチが入ると甘くなるけれど、普段の私たちの会話は結構ゆるかったりする。



「雨降ったら困るし、夏くん今日は送ってくれなくても大丈夫だよ?」



「やだ」



「なんでっ」



せっかく夏くんのことを心配してるのに……



「ハルと一緒にいたいからって何回言えばわかってくれるの?」



いつの間にか夏くんのスイッチを入れてしまったらしく、甘い言葉が降ってくる。



そんなこと言われたら、何も言えなくなってしまう。



「風邪ひいても知らないもん」



「俺が風邪ひいたら、ハルが看病してくれるんじゃないの?」



「……っ、するけど……もう、ばかっ」