その日からお互いに用事がないときは、夏くんと一緒に帰るようになった。
……というか、毎日夏くんが放課後になると教室まで迎えに来るようになった。
「ハル、帰ろ」
ドアに寄りかかりながら、私のことを呼ぶ夏くん。
最初はやっぱり恥ずかしくて、詩乃に助けを求めていたけれど、いつも詩乃には「ほら愛しの彼氏さんが呼んでるよ？」とからかわれてばかり。
最初は「ばかーっ」と言い返していたけど、毎日のことだから最近は、少しムッとしながらも素直に応じるようになった。
今日は、気持ちまでも沈んでしまいそうなどんよりとした天気。
朝は晴れてたのにな。
今にも雨が降り始めそうで、天気予報で雨が降るなんて言っていただろうかと記憶を掘り起こしてみるけれど、そんな記憶はない。
傘持ってきてないけど、大丈夫かな。
