「ほら、置いてっちゃうよハル」
「えっ、待って夏くんっ……?」
少し先を歩いていた夏くんを追いかけようと駆け出して、ふと思う。
「どこ行くの?」
なんで夏くんが一緒に……
「どこって家に帰るんでしょ?」
「そうだけど、夏くんは……」
「家まで送ってく」
家まで送る……!?
夏くんが?私のことを!?
「いやいや、夏くん。夏くんの家真逆だしいいよ!」
電車通学の夏くんは、私の家にまで来たらすごく遠回りになってしまう。
初めて夏くんにあった日も、もう遅いからと送ってくれたけど……
さすがに今はまだ明るいし、夏くんに申し訳ない。



