「騎馬戦出てないか見に行く?」
「えっ、べ、別にいいよ!A組の応援しよ?」
「そう言いつつ気になってるくせに」
「いや、そんなこと……」
ほらほらと言われて詩乃に腕を引かれて前に出る。
本当の本当は、やっぱり気になるんだ。
夏くんが競技に参加する姿はどんな感じなんだろうって。
でも、騎馬戦には夏くんは出ていなかった。
そうなれば残るは障害物競走。
「ほら、次も見に行くんでしょ?」
詩乃にそう言われて、障害物競走もしっかりと最前列を確保。
1年生の競技はすぐに始まる。
「……あっ」
夏くんだ。
やっぱりいた。
順番を待つ列に夏くんがいるのを見つける。
しかも……夏くんアンカー!?
一番最後でタスキをつけているんだから、絶対そう。



